徹底比較・簡易診断で気になるプラットフォームが 見えてきた方向けに、その判断の裏付けとなる詳細データをまとめました。運営会社の実態、 項目別のランキング、利回り・募集金額の分布、想定利益シミュレーションまで、公開データを もとに深掘りしています。

項目別ランキング

当メディアは、利回りとリスクを無理に1つの数値へ合成した総合ランキングは作りません。 性質の異なる指標を足し合わせると、かえって実態が見えにくくなるためです。かわりに、 投資判断に関わる項目ごとに、公開データに基づく客観的な順位を個別に示します。 どの軸を重視するかは、あなたの投資方針次第です。

① 運営会社の信頼性(上場区分)

基準:東証プライム上場(グループ含む)>東証スタンダード上場>東証グロース上場>非上場。 上場企業は四半期開示・監査等の情報公開義務を伴うため、透明性の代理指標として採用。 非上場=低品質という意味ではありません。

  1. 同率1位 OwnersBookproperty+Rimple 運営元の親会社が東証プライム上場
  2. 2位 Jointo α 運営会社自身が東証スタンダード上場
  3. 3位 CREAL 東証グロース上場グループ
  4. 4位 COZUCHI 非上場

② 実績開示の具体性

基準:個別ファンド単位の確定利回り開示>元本割れ実績ゼロを件数付きで公開>個別ファンド一覧は公開されているが確定利回りは非公開>機械可読な実績集計ページ自体が確認できず。

  1. 1位 OwnersBook 381件全件の確定利回りを個別開示
  2. 2位 CREAL 143件組成・120件償還・元本割れ実績ゼロを件数付きで公開
  3. 同率3位 Jointo αproperty+Rimple 個別ファンド一覧(募集金額・成立状況等)は公開。ただし確定利回り実績値までは非公開
  4. 6位 COZUCHI 機械可読な実績集計ページは確認できず

③ 利益原資構造の開示

基準:インカム/ハイブリッド/キャピタル型の内訳を実数値で開示しているか。

  1. 開示あり Rimple 全ファンドでインカムゲイン100%・キャピタルゲイン0%と公式に開示
  2. 非公開 CREALCOZUCHIJointo αproperty+ Rimple以外の比較対象5社は実数値の開示が確認できず
  3. 該当なし OwnersBook 貸付型スキームのため、この分類軸自体が適用されない

④ 平均想定利回り

表面利回りのみの比較です。利回りが高い=優れているという意味ではありません。 リスクの構造は①②③および各社詳細記事もあわせて確認してください。

  1. 1位 COZUCHI 7.58%
  2. 2位 OwnersBook 5.21%
  3. 3位 CREAL 4.63%
  4. 4位 property+ 4.56%(初期の高利回りファンドを除くと約3.33%)
  5. 5位 Jointo α 3.42%
  6. 6位 Rimple 3.14%

⑤ 最低投資額の低さ

基準:少額から始めやすいか(最低投資額の低い順)。

  1. 同率1位 CREALCOZUCHIOwnersBookproperty+Rimple 1万円〜
  2. 2位 Jointo α 10万円〜

⑥ 中途解約・流動性の柔軟性

基準:運用期間中に中途解約・換金できる制度があるか。

  1. 1位 COZUCHI 比較対象の中で唯一、中途換金制度あり
  2. 同率2位 CREALOwnersBookJointo αproperty+Rimple 原則不可

運営会社の詳細比較

非上場企業は開示義務がないため「非公開」の項目が多くなりますが、これは信頼性が 低いという意味ではありません。上場・非上場だけでは見えない、運営会社の実態を 横並びで比較しました。代表者の経歴等の詳細は各社の詳細記事をご確認ください。

項目CREALCOZUCHIOwnersBookJointo αproperty+Rimple
運営会社クリアル株式会社LAETOLI株式会社ロードスターインベストメンツ(親会社:ロードスターキャピタル)穴吹興産株式会社株式会社リビングコーポレーション(親会社:飯田グループHD)プロパティエージェント株式会社(親会社:ミガロホールディングス)
資本金約34.5億円1億円親会社:約14億円約7億5,500万円1億円約6億1,725万円
従業員数208〜284名30名程度親会社グループ約100名423名確認できず138名
直近売上高約378億円非公開親会社:約446億円確認できず確認できず確認できず
監査法人EY新日本有限責任監査法人非公開太陽有限責任監査法人(親会社)有限責任監査法人トーマツ確認できず確認できず
資本関係SBIホールディングスが第2位株主(19.93%)独立系ロードスターキャピタル(東証プライム上場)100%子会社独立系(東証スタンダード上場・自身)飯田グループホールディングス(東証プライム上場)系列ミガロホールディングス(東証プライム上場)完全子会社
行政処分歴確認できず確認できず確認できず確認できず(国交省DB確認済み)確認できず(国交省DB確認済み)確認できず(国交省DB確認済み)
訴訟・係争情報確認できず確認できず確認できず確認できず確認できず確認できず

Jointo α・property+・Rimpleの行政処分歴は、国土交通省の公式データベースを直接検索して確認しており、 一般的なWeb検索結果の要約のみに依拠していません。なお、以前はTECROWDも比較対象に含めて いましたが、2025年のカザフスタン案件における情報開示の不備を踏まえ、当メディアの掲載基準を 満たさないと判断し、比較対象から外しました。詳細は「不動産クラファンの見極め方」の注意事例をご覧ください。

はじめる前に確認したいポイント比較

利回り・運用期間だけでなく、実際に口座開設・入金・出金する段階で気になる実務的な ポイントも横断で比較しました。詳細な条件は各社の詳細記事をご確認ください。

CREAL

中途解約・換金
原則不可(8日以内はクーリング・オフ可)
出金手数料の目安
楽天銀行宛105円/他行宛150〜229円
募集方式
先着方式
会員ランク制度
あり(6段階のランク制)
CREALの詳細を見る →

COZUCHI

中途解約・換金
条件付きで可(手数料3.3〜5.5%)
出金手数料の目安
月1回無料、2回目以降330円
募集方式
先着方式
会員ランク制度
なし
COZUCHIの詳細を見る →

OwnersBook

中途解約・換金
原則不可
出金手数料の目安
一律330円(優待会員等は無料)
募集方式
先着86%・抽選14%
会員ランク制度
あり(プラチナ会員等)
OwnersBookの詳細を見る →

Jointo α

中途解約・換金
原則不可(クーリングオフ制度はあり)
出金手数料の目安
振込手数料は運営会社負担
募集方式
先着方式・抽選方式(ファンドによる)
会員ランク制度
確認できず
Jointo αの詳細を見る →

property+

中途解約・換金
原則不可(8日以内はクーリング・オフ可)
出金手数料の目安
出金手数料なし
募集方式
確認できず
会員ランク制度
確認できず
property+の詳細を見る →

Rimple

中途解約・換金
原則不可(8日以内はクーリング・オフ可)
出金手数料の目安
運用終了時は無料(クーリングオフ時のみ投資家負担)
募集方式
抽選方式
会員ランク制度
確認できず
Rimpleの詳細を見る →

特筆すべきはCOZUCHIだけが中途換金制度を持つ点です。他社は原則として 満期まで資金が拘束されるため、急な資金需要に対応できる余地という意味では明確な違いがあります。 また会員ランク制度は、CREAL(累計運用資産残高に応じた自動判定)・ OwnersBook(プラチナ会員等)にはあり、COZUCHI・Jointo α・property+・Rimpleには確認できませんでした。 制度の有無・設計思想はそれぞれ異なるため、詳細は各社の詳細記事・公式サイトでご確認ください。

利回り×運用期間の全体像

社ごとにパネルを分けることで、件数の多いOwnersBookに他社の分布が埋もれる問題を 解消しました。6社930件を1枚の散布図に重ねると、件数の多いOwnersBook(431件)の点が 他社を覆い隠してしまい、件数の少ないJointo α(45件)などが見えにくくなるためです。灰色の点で 「市場全体の中でのそのプラットフォームの位置」も分かるようにしています。

利回り×運用期間 散布図(6社・パネル別)プラットフォーム別の利回り×運用期間 散布図(社ごとに独立したパネル、CREAL・COZUCHI・OwnersBook・Jointo α・property+・Rimpleの6社)。灰色の点は他社を含む市場全体の参考位置。横軸は運用期間(月)。短期〜長期まで見やすくするため、目盛りの間隔は均等ではなく1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月…と倍々になっている点にご留意ください。

OwnersBookは低利回り・短期に密集、CREALは低利回り・長期に分布し、Jointo α・property+・Rimpleは いずれも3〜5%台の狭いレンジに集中しています。OwnersBookは431件と件数が多く、利回り5%前後・ 運用期間10ヶ月前後の狭いレンジに密集しています。CREALは件数は少ないものの低利回り・長期側に分布し、 COZUCHIは極端な高利回り・短期の外れ値を数件持ちつつ大半は中間的な水準です。property+は一部 (2021年開始当初の7件)が短期・高利回り側に外れ値として現れています。Rimpleは125件のほぼ全件が 運用期間6ヶ月という極端に狭いレンジに集中しており、この点は他社にない特徴です。

募集金額規模の違い

募集金額分布(6社)プラットフォーム別・案件あたりの募集金額分布(左)と募集総額(右)。CREAL・COZUCHI・OwnersBook・Jointo α・property+・Rimpleの6社。

1件あたりの規模はproperty+が最小、累計の募集総額はCOZUCHIが最大です。1案件あたりの募集金額(中央値)は、Jointo α・property+・RimpleがCREAL・COZUCHI・OwnersBookより 小さい水準に分布しています。一方で募集総額(右のグラフ)で見ると、COZUCHIが1,430億円と際立って大きく、 OwnersBookも431件という件数の多さで826億円まで積み上げている一方、Jointo αは102億円、property+は 29億円、Rimpleは75億円と、新しく加わった3社はまだ累計実績の規模が小さい段階です。「1件あたりの規模」と 「累計実績の大きさ」は別の指標である点に注意してください。

投資したら? 想定利益シミュレーション

「利回り○%」だけでは金額感がつかみにくいため、各社の平均想定利回り・平均運用期間をもとに、 平均的な案件に1回投資した場合の想定利益(税引前)を計算できるようにしました。下の欄に 好きな金額を入力すると、表の数字が自動で切り替わります。想定利回りは年利換算で表示されるのが業界慣行のため、「利回り × 運用期間 ÷ 12ヶ月」で算出しています。

プラットフォーム平均想定利回り平均運用期間想定利益(税引前)
CREAL4.63%19.3ヶ月約7,447円
COZUCHI7.58%12.4ヶ月約7,833円
OwnersBook5.21%12.0ヶ月約5,210円
Jointo α3.42%10.7ヶ月約3,050円
property+4.56%9.2ヶ月約3,496円
Rimple3.14%6.0ヶ月約1,570円

運用期間が短い=資金の再投資サイクルが速いということでもあります。参考として、同じ資金を1年間に 何回転できるかの目安(12ヶ月 ÷ 平均運用期間)も示します。

プラットフォーム年間の想定再投資回数の目安
CREAL約0.6回/年
COZUCHI約1.0回/年
OwnersBook約1.0回/年
Jointo α約1.1回/年
property+約1.3回/年
Rimple約2.0回/年
上記は複数ファンドの平均値を用いた簡易シミュレーションであり、特定の案件の条件を示すものではありません。実際の利回り・運用期間は案件ごとに異なり、過去の平均が将来の成果を保証するものでもありません。

100万円を分けたら? ポートフォリオ・シミュレーション

1社・1案件だけのシミュレーションでは実際の投資行動(複数案件・複数社への分散)を反映しきれないため、 100万円をどう配分するかで3パターンを試算しました。数字の大小だけでなく、「1社への依存度」も あわせて確認してください。

ポートフォリオ配分想定年間利益(100万円・単利ベース)集中度の注記
積極型(攻め)COZUCHI60%・OwnersBook40%約66,320円6社の中で利回り水準が相対的に高い2社に厚く配分する構成
バランス型CREAL17%・COZUCHI17%・OwnersBook17%・Jointo α17%・property+17%・Rimple17%約47,585円6社ほぼ均等配分。1社あたりの依存度を約17%に抑える構成
安定型(守り)CREAL20%・OwnersBook20%・Jointo α20%・property+15%・Rimple25%約41,210円実績開示の具体性・優先劣後構造の手厚さを重視する5社を中心に据える構成(劣後30%のRimpleに厚め)
配分比率は当メディアが例示のために設定したものであり、特定の配分を推奨するものではありません。想定年間利益は各社平均想定利回りの単純な加重平均(単利ベース)であり、複利再投資や税金は考慮していません。

分散の効果を、実際に起きた事例で考える

業界最長12年の実績を持つOwnersBookでも、過去に1件、償還遅延の実例があります。業界全体の破綻・元本割れ率という統計は今回の調査では見つけられませんでした(不動産クラウドファンディング 協会は「元本割れは原則未発生」としています)。一方で、OwnersBookの詳細記事で 触れた通り、過去に大阪のホテル案件で1件、償還遅延の実例があったことを確認しています。架空の確率ではなく、 この実際に起きたパターンをもとに、分散の効果を考えてみます。

上記バランス型ポートフォリオ(想定年間利益 約47,585円)のうち、 OwnersBookへの配分は25万円です。この25万円を2案件に集中させた場合と、10案件に分けた場合とで、 「うち1案件が同様の遅延に見舞われ、その案件からの想定利益が今年度中に実現しなかった場合」に、 ポートフォリオ全体の年間利益にどれだけ影響するかを試算しました。

結論から言うと、どちらのケースでも、100万円の元本は減っておらず、その年の最終利益もプラス(黒字)を維持します。違うのは「その黒字がどれだけ目減りするか」です。

分散の仕方1案件あたりの金額遅延した案件1件分の想定利益(今年度中は未実現)今年度の実現利益(47,585円が基準)その年は黒字か
2案件に集中83,500円約4,350円(約9%)約43,234円黒字を維持
10案件に分散16,700円約870円(約2%)約46,715円黒字を維持

2案件に集中させていた場合でも、100万円は約43,234円の 利益を伴って黒字のまま終わります。10案件に分けていた場合は約46,715円と、 ほぼ想定通りの利益に近づきます。元本1件が丸ごと消えるわけではなく、1年分の利益の一部が来年に持ち越されるだけという点が、 分散を効かせておくことの本質的な安心材料です。もちろんこれは、遅延した案件が最終的には償還される(元本が戻る)ことを 前提とした試算です。ヤマワケエステートのケーススタディで解説している通り、 事業者の経営状態によってはこの前提自体が崩れる可能性もあるため、運営会社の財務状況・行政処分歴も あわせて確認することを推奨します。

最低投資額はJointo α(10万円〜)を除く各社が1万円〜であるため、同じプラットフォームの中でも複数案件に分けることで、 1件のトラブルがポートフォリオ全体の利益に与える影響を大きく抑えられることが分かります。これは 「プラットフォームを分ける」分散だけでなく、「同じプラットフォーム内で案件を分ける」分散も有効であることを示しています。

このシミュレーションは実際に報告された事例パターンを参考にした仮定計算であり、 今後同様の事象が起きる確率を示すものではありません。また元本毀損(減少)ではなく資金化の遅延を 前提とした試算です。

自分に合う1社をまだ決めきれない場合は、簡易診断から始めることもできます。