📝 この記事の要点

  • 比較対象の中で最長・12年の運用実績、償還済み381件全件で確定利回りを開示
  • ただし他社と法的スキームが異なる(匿名組合出資ではなく貸付型)
  • 株主優待枠つきファンドという、他社にないユニークな仕組みもある

基本データ

項目 内容
サービス開始 2014年(調査対象の中で最長・約12年の運用実績)
分析対象件数 431件(募集不成立の3件を除く)
平均想定利回り 5.21%(中央値5.1%)
平均運用期間 12.0ヶ月(中央値10ヶ月)
平均募集金額 1.92億円(中央値1.02億円)
最低投資額 1万円〜(貸付型。エクイティ型は案件により異なり、第1号案件は50万円〜)

運営会社について

上場有無だけでなく、運営会社の実態が分かる情報をまとめました。

項目 内容
運営会社名 ロードスターインベストメンツ株式会社(2012年3月設立)
代表者 久保直之氏(運営会社ロードスターインベストメンツ代表取締役社長。東京大学農学部卒、農林中央金庫・日本不動産研究所を経て2014年ロードスターキャピタル入社、不動産鑑定士・MAI・CCIM資格保有)
資本金 親会社ロードスターキャピタル:約14億円
従業員数 親会社グループ全体で約100名(2026年4月時点)
直近売上高 親会社:約446億円(2025年12月期)
監査法人 太陽有限責任監査法人(親会社)
資本関係 ロードスターキャピタル株式会社(東証プライム上場)の100%子会社
行政処分歴 調査した範囲では確認できず
訴訟・係争情報 調査した範囲では確認できず
社員クチコミ(参考情報) 調査した範囲ではレビュー投稿が確認できず

情報源:有価証券報告書・公式サイト会社概要等の公開情報(2026年8月時点)。運営会社(ロードスターインベストメンツ)単体の従業員数・監査法人等は非公開のため、開示義務のある親会社の数値を記載しています。

はじめる前に確認したいポイント

項目 内容
中途解約・換金 原則不可(運用期間中の中途解約・途中売却はできない)
出金口座 出金時は一律330円(税込)の手数料。株主優待会員・プラチナ会員は無料
募集方式 先着方式86%・抽選方式14%(実データで確認)。「株主優待枠」「先行投資枠」という優先アロケーション枠を持つファンドもある
会員ランク制度 あり(プラチナ会員は出金手数料無料等の優遇。また借入企業側の株主優待・宿泊優待券が付くファンドという、他社にはないユニークな仕組みもある)

プラチナ会員・株主優待枠:入口が異なる2つの優遇制度

OwnersBookには、性質の異なる2つの優遇制度があります。名前が似ているため混同しやすく、当メディアで整理しました。

① プラチナ会員(投資実績ベース、株式保有は不要)

OwnersBookでの投資実績に応じて認定される会員ランクです。会員登録後の累計投資実行額が5,000万円以上、または判定直前1年間の投資実行額合計が1,000万円以上のいずれかを満たすと認定されます。判定は年2回(3月31日・9月30日基準)実施され、認定されると①先行投資枠への優先申込、②出金手数料(通常330円)の無料化、という特典が受けられます。

② 株主優待枠(親会社の株主向け、投資実績は不要)

OwnersBookを運営するロードスターインベストメンツの親会社・ロードスターキャピタル株式会社(東証プライム上場)の株式を1,000株以上保有する株主向けの優待制度です。優待基準日(6月30日・12月31日)の株主名簿に1,000株以上保有する株主として2回連続で記載されるか、直近の基準日で初めて1,000株以上保有した場合に対象となります。特典は「株主優待用投資枠」(貸付型の先着案件・エクイティ型案件の一部への優先申込。ただし先着順のため必ず投資できるとは限らない)と、出金手数料無料です。

株主優待枠は、OwnersBookでの投資実績ではなく、上場している親会社の株式を別途購入する必要がある点がプラチナ会員制度との決定的な違いです。親会社株の購入自体が別の投資判断・資金拠出になるため単純比較はできませんが、すでに同社株を保有している人にとっては実質的な上乗せメリットになります。

情報源:OwnersBook公式サイトFAQ・プレスリリース、ロードスターキャピタル株式会社IRページ(2026年8月時点)。

他社との決定的な違い:貸付型というスキーム

CREALCOZUCHIJointo αproperty+Rimpleはいずれも「匿名組合出資」という、不動産特定共同事業法に基づく仕組みで、投資家は事業の損益分配を受け取ります。一方OwnersBookは、分析対象431件中428件が**貸付(ソーシャルレンディング型)**のスキームです。投資家が受け取るのは元本に対する利息であり、法的な性質が異なります(残り3件は「エクイティ」型で、案件ごとに条件が異なります)。

このため、当メディアが他社で使っている「利益原資の構造(インカム型/ハイブリッド型/キャピタル型)」という分類は、OwnersBookにはそのまま当てはまりません。この記事では無理に同じ軸へ当てはめず、別の切り口(運用実績の長さ・実績開示の具体性)で評価します。

業界最長・12年の運用実績と、個別ファンドまで開示される確定利回り

2014年のサービス開始から約12年、431件の分析対象のうち381件が既に償還完了しています。当メディアが調査した比較対象の中で、運用実績の年数は最長です。

特筆すべきは、償還完了した381件全件について、個別ファンドごとの確定利回り(実績値)が開示されている点です。これは他社(想定利回りの開示はあるが、確定した実績値を個別ファンド単位で開示している例は確認できなかった)と比べても、実績開示の具体性という点で際立っています。確定利回りの範囲は最小2.4%〜最大22.8%、平均5.21%でした。

OwnersBookの利回り×運用期間分布(アセットタイプ別・n=431) OwnersBook 431件の利回り×運用期間分布。色はファンド名から判定した物件用途(レジデンス・オフィス/商業・ホテル・土地/開発)を示す。構造タイプ(インカム/ハイブリッド/キャピタル型)ではなくアセットタイプで色分けしているのは、貸付型スキームには利益原資の構造という概念自体が存在せず、他社の分類をそのまま当てはめることができないため。分類できなかった案件(8件・2%)は「分類不能」として明示している。

ファンド名からの用途判定は431件中423件(98%)で可能でした。用途別では、レジデンス(低リスク区分、青丸)189件・オフィス/商業(中リスク区分、黄四角)109件・土地/開発(超高リスク区分、赤ひし形)121件・ホテル(高リスク区分、橙三角)4件という内訳です。土地/開発の案件が121件(28%)を占めており、これは物件取得段階の貸付案件が多いことを反映していると考えられますが、CREAL等の「売却完了が前提の構造」とは異なり、あくまで貸付(利息収入)である点に注意してください。利回り9%を超える案件は、レジデンス・オフィス双方に見られ、特定の用途に偏っているわけではありませんでした。

運営元は元本割れ実績ゼロと公表しています。ただし調査の過程で、過去に大阪のホテル案件で償還が遅延した実例が1件あったことも確認しました。実績を強調するだけでなく、こうした事例も含めて開示・報道されている点は、透明性の観点でむしろプラスに評価できます。

情報源:運営会社公式サイトの実績ページ、および各種メディアの評判レビュー記事。掲載時点の情報であり、最新の実績は公式サイトでご確認ください。

他社との位置付け

平均利回り5.21%・平均運用期間12.0ヶ月は、比較対象の中では中間からやや控えめな水準です。CREAL(4.63%・19.3ヶ月)に近い保守的な位置づけですが、運用期間はCREALより短く、資金の回転効率はやや高めです。ただし前述の通り、貸付型という異なるスキームである点は、単純な利回り比較以上に重要な違いです。

このプラットフォームのデータが参考になりやすい投資家像

  • 運用実績の長さ・実績開示の具体性を最優先で確認したい人
  • 匿名組合出資と貸付型(ソーシャルレンディング)の違いを理解した上で検討したい人
  • 個別ファンドの確定利回りまで遡って確認できる透明性を重視する人

まとめ

OwnersBookは、調査対象の中で最長の運用実績と、個別ファンド単位での確定利回り開示という高い透明性を持つプラットフォームです。一方で、他社とはスキーム自体(貸付型 vs 匿名組合出資型)が異なるため、利回りだけを単純比較するのではなく、投資の法的性質の違いも理解した上で検討することを推奨します。これは当メディアの独自分析であり、投資の推奨を意味するものではありません。