📝 この記事の要点
- 元本割れ実績ゼロを個別ファンド単位で機械可読に開示している点は、比較対象の中でも際立って具体的
- 利回り水準は比較対象の中では中間的(4.63%)。低リスク志向とバランスを取ったポジション
- 中途解約は原則不可、会員ランク制度あり(最大0.25%の現金プレゼント)
基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分析対象件数 | 145件 |
| 平均想定利回り | 4.63% |
| 平均運用期間 | 19.3ヶ月 |
| 利益原資の構造 | 非公開(CREALはインカム/キャピタルの分類・内訳比率のいずれも開示していません) |
| 最低投資額 | 1万円〜 |
データの限界に関する重要な注記: CREALは145件全件について、利益原資が「純粋インカム型」「ハイブリッド型」「純粋キャピタル型」のどれに当たるかを一切開示していません(開示されているのは「優先劣後構造の有無」という別の真偽フラグのみ)。そのため当メディアでは、この構造タイプという軸でのCREALの分析は行わず、後述の通り別の軸(ファンド名から判定できる物件用途)で代替しています。
運営会社について
上場有無だけでなく、運営会社の実態が分かる情報をまとめました。非上場企業は法的な開示義務がないため「非公開」の項目が多くなりますが、これは信頼性が低いという意味ではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社名 | クリアル株式会社(東証グロース市場上場グループ) |
| 代表者 | 横田大造氏(アクセンチュア、オリックス、ラサールインベストメントマネージメント、新生銀行を経て2017年クリアル経営参画、代表取締役社長就任) |
| 資本金 | 約34.5億円(2026年4月末時点) |
| 従業員数 | 208〜284名(時点・連結/単体の別により情報源で差異あり) |
| 直近売上高 | 約378億円(2026年3月期、前期比9.6%減) |
| 監査法人 | EY新日本有限責任監査法人 |
| 資本関係 | SBIホールディングスが第2位株主(19.93%、2023年資本業務提携) |
| 行政処分歴 | 調査した範囲では確認できず |
| 訴訟・係争情報 | 調査した範囲では確認できず |
| 社員クチコミ(参考情報) | OpenWork 3.04点(回答5件)・転職会議 3.5点(回答4件)※回答数が少なく参考程度に留めてください |
情報源:有価証券報告書・決算短信・公式サイト会社概要・OpenWork等の公開情報(2026年8月時点)。売上高・資本金以外の財務詳細(自己資本比率等)は公式のIR資料でも確認できるため、詳細はクリアル株式会社のIRページもあわせてご確認ください。
はじめる前に確認したいポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 中途解約・換金 | 原則不可(契約成立日から8日以内はクーリング・オフにより違約金なしで解除可能) |
| 出金口座 | 取引専用口座は楽天銀行。出金は任意の銀行口座へ振込可(出金手数料は楽天銀行宛105円、他行宛150〜229円) |
| 募集方式 | 先着方式(CREAL公式ブログでも先着順と説明されている。人気ファンドは募集開始直後に埋まることがあるため要注意)。ただし各ファンドの募集ページには募集方式の記載が無く、当メディアのデータでは案件単位では取得できていない |
| 会員ランク制度 | あり(レギュラー〜ブラックの6段階、累計運用資産残高で自動判定。ランクに応じ投資額の0〜0.25%相当の現金プレゼント、最上位ブラックは優先投資チケットも付与) |
会員ランク制度:実質利回りに上乗せされる特典
個別株の株主優待に近い発想で、CREALには運用資産残高(AUM、現在運用中のファンドへの投資額の合計。チャージ金額や償還済み分は含まない)に応じて自動判定される6段階の会員ランク制度があります。
| ランク | AUM要件 | 現金プレゼント付与率 |
|---|---|---|
| レギュラー | 100万円未満 | 0.00% |
| ブロンズ | 100万円以上300万円未満 | 0.05% |
| シルバー | 300万円以上500万円未満 | 0.10% |
| ゴールド | 500万円以上1,000万円未満 | 0.15% |
| プラチナ | 1,000万円以上3,000万円未満 | 0.20% |
| ブラック | 3,000万円以上 | 0.25% |
現金プレゼントは、ファンドへの投資額に上表の付与率を乗じた金額です。毎月最終営業日に集計され、翌月最終営業日にCREAL専用口座へ入金されます。例えば「ブラック」ランク(AUM3,000万円以上)で100万円を投資した場合、投資額とは別に2,500円(0.25%)が上乗せされる計算です。想定利回り4.63%の案件であれば、単純計算で実質4.88%相当に近づくイメージですが、現金プレゼントは想定利回りとは別枠の付与であり、正確な利回り換算ではない点にご留意ください。
さらに最上位の「ブラック」ランク(またはチャージ金額3,000万円以上)の会員は、募集開始の24時間前から優先投資でき、募集総額の50%に達するまで申し込めるという特典もあります。人気ファンドが募集開始直後に埋まりやすいCREALでは、これも実質的なメリットになり得ます。
ただしいずれの特典もAUMに連動するため、まとまった資金を長期的にCREALへ投資し続けることで初めて効果が大きくなる設計です。少額・短期の利用では上位ランクの恩恵は限定的である点は理解しておくとよいと思います。
情報源:CREAL公式サイト会員プログラムページ(2026年8月時点)。
実績公開という強み
比較対象の中でも、個別ファンドごとの元本割れ有無まで件数付きの機械可読な形で公式に公開しているのはCREALが際立っています(2026年調査時点)。公式ページによれば、累計調達額1,061億円・組成143件のうち120件が償還済み、元本割れ実績はゼロと公開されています。
さらに個別ファンドの詳細ページを調査したところ、償還済み120件のうち92件(77%)が想定運用期間より早期に償還され、28件(23%)が予定通り、遅延(想定より長引いた案件)は120件中0件でした。
一方で、配当(インカムゲイン)・キャピタルゲインが計画比でどうだったか(上振れ・下振れ)という「実績値」は、一覧ページ・個別ファンド詳細ページのいずれにも開示が見当たりませんでした。開示されているのは「想定利回り」の内訳のみで、確定実績値の記載はありません。この点は「データなし」として正直に記載します。
リスク構造の分析:利回りは中間的、安定性は高い
利回りの高さと運用期間の短さから算出する「資金効率」で見ると、比較対象の中で最長の運用期間(19.3ヶ月)が押し下げる形になりますが、利回り単体(4.63%)は比較対象の中では中間よりやや高い水準です。Rimple(3.14%)・Jointo α(3.42%)・property+(4.56%)より高く、OwnersBook(5.21%)・COZUCHI(7.58%)より低い位置にあります。
CREALは利益原資の構造(インカム/ハイブリッド/キャピタル型)を開示していないため、この軸での分析はできません。代わりに、ファンド名から判定できる物件用途(アセットタイプ)で見てみます。
CREAL 145件の利回り×運用期間分布。色はファンド名から判定した物件用途を示す。CREALのファンド名は「CREAL北品川」のような立地・ブランド名主体の命名が多く、145件中79件(54%)が用途判定不可(分類不能)だった点に留意してください。
用途が判定できた66件(46%)のうち、レジデンス(低リスク区分)34件・オフィス/商業(中リスク区分)16件・ホテル(高リスク区分)13件・土地/開発(超高リスク区分)はわずか3件でした。判定できた範囲では、高リスク区分とされる土地/開発案件の比率が低く、レジデンス・オフィスといった比較的安定した用途が中心である傾向が見えますが、半数以上が判定不能である以上、この傾向を全体の結論として断定はできません。
他社との位置付け
CREALは平均利回り・平均運用期間のいずれの軸でも「効率よりも安定」側に位置します。COZUCHI(7.58%・12.4ヶ月)と比べると、表面的な数字だけでは見劣りしますが、個別ファンド単位での元本割れ実績開示の具体性という軸では、比較対象の中でも際立ったポジションにあります。
このプラットフォームのデータが参考になりやすい投資家像
- 表面利回りよりも、償還実績の裏付けや情報開示の透明性を重視したい人
- 運営会社の財務的な信用力(上場有無)を判断材料にしたい人
- 短期の高利回り案件より、腰を据えた中期運用を志向する人
まとめ
CREALは、上場グループによる運営・実績の機械可読な公開という透明性の高さが際立つ一方、表面的な利回り効率では他社に見劣りする場面が多いプラットフォームです。「高い利回りより、実績の裏付けがある手堅さを重視したい」という投資家にとって参考になるデータですが、これは当メディアの独自分析であり、投資の推奨を意味するものではありません。